部屋に着いた午後12時過ぎ。


昼食を食べるよりも前に、わたしは呼び出された。





前と同じカウンセリング
ルーム



「吉井さん」

前と同じ席に座る施設長。

「はい…」


「単刀直入に聞きましょう。
吉井さん、前向きに考えることは出来ましたか?」


「………はい。
一度行ってみようと思います」

迷いながら、でもわたしははっきりと頷いてみせた。


施設長は
明らかにほっとした様な表情を刻んだ。


「では。
夏休みに入り次第、ということにしましょう」