25時の暗がりの道。



足取りは重く、

気分はさらに重苦しい。




結局無力な中学生でしかないわたしの、
今戻る場所は施設しかなかった。


とっさのこととはいえ、

あれだけ騒いで逃げてきたからにはバレていないことはないだろう。


もしかしたら騒ぎになっているかもしれない。


そうなると最悪だけど

取り敢えずのありきたりな釈明話をしよう。



あっさり信じるかは別としてイキナリ別の施設に飛ばされることはないだろうと思う。






慣れてしまった足が
無意識に
裏門に着いたけど、

今更こっそり帰る意味なんてないから
正門まで回ってきた。







「夢瞳?」




嫌な気持ちを振り払って正門を開けようとすると、

傘を手にした少年がわたしを呼んだ。