1ヶ月前までよく来ていた
歩いて15分程の、施設からそう遠くない公園。

駅と反対方向の閑静な住宅が並ぶ近くのそこは
広くて綺麗で緑が多くて気に入っていた。


夜でもいつもまばらに人が居るのに、
雨のせいか
人の姿が見えない。


わたしは誰に気を遣うこともなくベンチに腰を下ろした。



落ち着くと
右手がひどく痛むことに気付く。

破片は刺さっていないけど、
血で真っ赤に染まっていた。


痛そうな傷口の血を
着ていた服でぬぐう。


「痛っ」

思わず声が出るくらいに痛かった。





「ねぇ大丈夫?」


声に見上げると

濡れたタオルを差し出す少年がいた。



「…?」


タオル使って良いの?


「あ。
ありがと…」

有り難く受け取って手に当てた。


そこだけ熱を持っていた手の甲が一気に冷めて気持ち良い。



少年は黙って横に座って、傘に入れてくれた。




なんか

わたしを見つめてる…?