プレイルームにはすぐ着いた。


1階の渡り廊下を渡った横の棟の、
同じく1階の一番端の部屋。

丸いテーブルがいくつも並んだ、
小さい子達が遊ぶのに適した部屋だ。



「なんでこんなところに来るのよ?」


近くに職員がいるかもしれないから、

わたしは小声で尋ねる。


「話なら聞くから早く言って」


「話ね…」


「あるんでしょ?」



わたしの話を聞いてるのかいないのか
碧はプレイルームの扉を開いた。


「なにしてんのあんた?
さっさと聞いたらわたしは戻るから」



「お気楽ね。
話なんて無いわ」


「――は?」



力一杯押されて
わたしはプレイルームに倒れ込んだ。


そんなわたしを見下ろして、


彼女は素早い手つきで扉を閉めた。

すぐに聞こえる鍵を閉める音。




ちょっとなんの冗談?




「出して!
何考えてんのよ碧?!」


扉を叩いて叫ぶ。

無視して離れる影が
扉の半透明部分から見てとれた。


虚しく響く叩く音。



ふっざけんなよアイツ!



もう一度叩こうと手をあげると、


「無駄だと思うなー俺は」



少年の声。

振り返ると、そこには3人の少年たちが居た。