じゃなく。
裏門へ。
もちろん照と会うために。
プレイルーム行きは考えるまでもなく却下。
何を考えているのか知らないけど、
食堂での態度もあるし
碧の誘いは明らかに怪し過ぎる。
珍しく思い詰めたような気もしたけど呼び出す意味が分からないし。
本当に用があれば
向こうからまた声をかけてくるだろう。
それに、
せっかくの照との時間を
碧なんかに邪魔をさせるつもりはきっぱり無い。
なんて
そんなダークな気持ちは1秒で忘れて
高鳴る胸を押さえながら
チューリップの絵が書かれた、白い石造りの花壇
を通り過ぎる。
閉鎖した保育園を改造して開設したここは、至るところにまだその名残が残っていて
この花壇はおそらく当時のチューリップ組の花壇だ。
チューリップの花壇を過ぎた角を曲がれば
もぅそこには…
彼が。
「照!」
