『何か美味しいものを食べよう』 珍しく、そう提案してきた男。 ふーん。 ガッツかないのね、今日は。 座っていた広めの公園のベンチから後ろを向いて見上げると オーソドックスな茶色の円柱棒の上に付いた 丸い時計が目に入る。 時刻は21時過ぎ。 確かに会社帰りだとお腹が空く時間かな。 払うのはどうせ目の前のオヤジだし わたしに異論はなく、そのまま食事へついて行った。