「うぅん言わない」
「……」
はぁ?
コイツ何が目的なの?
「そんな警戒した目しないでよ。
大丈夫。
オレだって、あんなジジィやババァを信用なんてしてないから」
アイツらを信用してないことと、
大丈夫なことの何がイコールになるんだろう。
照の公式は謎だらけだ。
でも結局は、
「何が望みなの?」
これしかないだろう。
「ものわかりが良いね。
さすが頭の良い子は先を読む」
「…誉められた気にならないし」
誉めてはないんだろうけど…
「オレのね。
してほしいことをひとつ、夢瞳にしてもらうよ」
ほらね。
やっぱりこうくるのが常套よね。
でもそれよりまずは、
「とりあえず手離してよ」
掴まれて繋いでいた手が
不自然な気がしてならなかった。
「えー」
「えー じゃないよ。
ねぇ。
それがお願いなの?」
「違うよ、仕方ないなぁ」
残念そうにポケットに手を戻す。
なんだか
やっぱり面白かった。
さっきの延長みたいだ。
油断、出来ないのに。
「うーん。
何をしてもらおうかな」
今さら考える照。
なにこの男。
決めてなかったの?
狡猾なのか、天然なのか
つかみどころがない。
てか。
早くして欲しいんだけどな…
