8月の初め
花火大会から数日。
わたしは、
考えた答えを持って御木本家を訪れた。
崇佑は、もうわたしの気持ちが分かっていたのか、
わたしが出した返事を悲しそうに、でもちゃんと聞いて納得してくれた。
御木本晃一……晃一さんには、
後見人の話を是非受けたいと答えた。
ただ、すぐに一緒に暮らすのではなく、
中学で実施されている交換留学に行きたいことを話した。
費用は学校の制度のため、それほど高額ではなく、
売春していた時、バカだけどお金持ちのオヤジからもらったお金とか物を売ると足りるくらいだったから。
晃一さんは複雑な顔をしたけど、
『早く使ってしまいたいし、夢の為に使うなら悪くないと思う』
と説得した。
『それでも良ければ、後見人の話を是非受けたい』
そんな無茶苦茶な条件にも、晃一さんは了承してくれた。
わたしの夢の為に協力してくれるって話、
本当に嘘じゃなかったのね……
晃一さんに感謝した。
そして照も、わたしに異論を唱えなかった。