9月ももう2週目になった頃。


わたしは新しい生活にまだ慣れないでいた。


もったいないくらい広い部屋の、とびきり柔らかいベッドから降りて、
わたしは急いで階段を降りた。



「おはよう友伽里(ユカリ)さん。
これもらうわ」


机にあったシリアルと、冷蔵庫のミネラルウォーターを急いで食べる。


「駄目よ夢瞳。
朝食はゆっくり食べないと」


「ごめんなさい友伽里さん。
でも急がないと遅刻するの!」


わたしが急ぐのなんて気にしない様なマイペースさで、
目を擦りながら起きてきた勇(イサム)さんの横を走って通りすぎる。


まだ時間に慣れないわたしは、
ここ数日、毎朝慌ただしくしている。