まだ少し違和感のある、大きな家が建ち並ぶ住宅街を走る。


すっかり薄暗くなった今も、各家の電灯や飾付けで、この道は美しく輝いている。




「夢瞳さん?」


息を切らすわたしに声がかけられた。



崇佑…



必死に走りすぎていて、前から歩いてくる崇佑にさえ気付かなかった。


1週間程前の告白以来の顔。




気まずい気持ちはあるし、返事もまだだね…


ごめん。

あなたの告白の返事は決まってるけど、今は照に会いたいの。


だから、きっと傷つくことが分かるけど、崇佑に聞いた。



「照はどこに居る?」




「照…兄に会いに来たの…?」



やっぱり。


やっぱり、辛そうな顔…


ふんわりした雰囲気に似合わない悲しそうな目。



「……ごめ…」


「謝らないでよ、夢瞳さん。
照兄は河川敷に居ると思うよ。
俺も行くけど、一緒に行く?」


「うぅん、先に行くわ。」


わたしは逸る気持ちで、
今来た道をもう一度走った。





でも…どうして河川敷?