ただ心配なことがあった。
君がが施設で危険な目にあったから。
奇跡的にというか、彼女の行動力のおかげで、大したことにはならなかった。
でも怪我をした。
崇佑がひどく心配して、一刻も早く、御木本家に迎え入れるべきだと言う。
その時は、もうオレも、その意見に反対どころか賛成に向いていた。
他にも施設で暮らす少年少女が危険にさらされているのに、明らかに彼女だけへの依怙贔屓。
分かっているけど、知ってしまったんだ、君のこと。
話していくうちに好意が生まれたんだ。
何があっても人に頼ろうとしない君をとても脆く感じた。
力になりたい。
例えそれが、オレの力じゃなくても。
オレが嫌われることになっても。
