施設の印象は、そう悪くはなかった。
と思ったのは初日の数時間だけだった。
少女たちは低年齢が多かった為、落ち着いているが、思春期の少年たちは思った以上とまではいかないが、ほぼ荒れていた。
学校に行かない、夜は帰らない、暴れたり奇行を繰り返す。
それを見て見ぬふりをする職員。
悪循環が蔓延する。
一方、やり手の秘書の恒輝が事情を説明していて、オレだけ明らかに特別扱いを受けていた。
好きなときに好きなことをして良い。
ただしあまり目立たない様にとのことだ。
だから家に帰る時に、裏の出入口から移動することにした。
施設に来た次の日、ちょうどその裏門から帰ろうと通り過ぎた時、君に会った。
