【完】約束=願い事


チャイムを鳴らす前に出迎えてくれたのは、
昨日案内してくれた美人さん…

ではなくて、


「真田さん…」


広い家の玄関先に、
昨日同様、完璧にスーツを着こなした真田さんが立っていた。


「お早うございます、夢瞳様。
車を出そうとした時は既にご出発なさった後で、迎えにもあがらず失礼を致しました」


丁寧に頭を下げる。

こんな小娘にまで敬語を使って敬うなんて、どんな気分なんだろう?


「わざわざ外で待っていてくれたんですね…」



昨日の今日。

複雑な気分でわたしはそう言った。