だから、気づかなかった。 開けっぱなしの扉の外に、まだ人が居たこと。 静かにゆっくり入ってきた。 「失礼します」 また。 どこかで聞いた声。 扉を正面に座るわたしは相手の顔がすぐ見えた。 やっぱり知った顔。 そして、入ってきた彼に続いて入ってきた最後の少年の方を見て、 わたしは頭が真っ白になってしまった。