でかい。 見上げた家を一言で表すとそれに尽きた。 施設長に連れられて来たここは 高貴で閑静な住宅街の一角、御木本というお金持ちの家。 白いブラウスと黒のパンツをさらりと着こなす美人に案内されて、 部屋で待っているところだった。 「お待たせしました」 そう待たされるわけでもなく、出された紅茶を飲んでいると 低くて、でも決して不快じゃない声と共に男が現れた。 御木本 晃一 この広い家の主人だ。