「加恋!!待ってよ!!」

加恋の気持ちは痛いほどわかった。

「亜恋ちゃんとは、話たくない。」

「話しを聞いて。」

「言いたいことなんてわかってるわ。
私はそんなつもりはないから・・・・でしょ?」

「うん・・・そうなんだけど・・・・
でも・・・・」

「ずるいのよ。いつもいつも
何にもしなくて欲しいもの手に入れるでしょ?」


   図星だ

「ごめんね。加恋を傷つけるつもりじゃなかったの。」

「じゃあ、マートのことは
全然好きじゃないのよね?」

「それは・・・・
そんな気持ちにはまだ・・・・・・」

加恋が涙をためて
振り向いた。


「勇気を出して、ずっとずっと悩んで
告白したのに

『ごめん。嶋村さん。
亜恋が好きなんだ。片想いだけど・・・・・
だから、誰とも付き合う気はないから。』

フラれたうえに
姉に片想いされてて
その姉は、純真な少女のフリして
すっごーいことしてきたんだから、
何にもしらないで
バカな男が美しいバラに手を差し伸べる。」


「ひどいわ・・・・
そんな言い方しなくても。」