卒業式・・・・・・


「卒業おめでとう。」

父が笑った。


「一年多くていっぱいお金使わせたね。
いろいろあったけれど
卒業できてよかった・・・・
みんなに迷惑かけてごめんなさい。」
ありがとうね。」


「おまえには本当に
肝冷やされたよ。」



「もう言わないで・・・・・
ごめんなさい・・・・
でも私ね、すごく幸せだったよ。」



母が涙を拭いた。


「あとで会場まで涙とっておかなくちゃ。」



春の日差しと路肩の雪
ぐちゃぐちゃな道をいつものように
学校に向かった。
今日で最後の学校・・・・・

雪が残るグランド

このグランドで
優と会えた。


愛斗が走っていた。


グランドで姿を隠しながら
優の背中を見つけた・・・・・・



朝日の差し込むこの廊下で
優と再会した・・・・・


教室・・・・・
愛斗の元気な声が聞こえるようだ。




学校なんて嫌い


そう思っていたけれど
今振り返ってみると
ちゃんと通えてよかったと思う。


人生に無駄なことなんて
ひとつもない・・・・・・
その時はつらくて
悩んでも
時が学習させてくれるから・・・・・・