「亜恋!!いつまでそうして
後ろばっか、思い出ばっか
見てるんだよ!!
もういないんだよ!!
コーチは死んだんだ!!」


「やめて、愛斗・・・・
お願い・・・・聞きたくない・・・・・
それ以上言わないで・・・・・・」


「俺がいるよ。
これからは俺がおまえのそばを
離れないから・・・・・」



そう言うと愛斗は
乱暴に私をブルに押し付けて
キスをした。


「やめて、愛斗・・・・
ここではやめて・・・・・・」



愛斗は唇を離そうとする私を
許さなかった。


「ね・・・ユウが見てるから・・・・
ユウが悲しむから・・・・・
ここでそんな・・・こと・・・・しないで・・・・」


途切れ途切れに
私は愛斗に話す。


「コーチ、もういいだろ?
亜恋はもうコーチのものには
できない。だってコーチは死んだんだ。
ここになんていないんだよ。」


愛斗はそう言うと
私の唇を強引にこじ開けた。


「やだ・・・・愛斗・・・・
お願い・・・・こんなの愛斗じゃない・・・・」


「これも俺だ!!
俺だって男なんだ・・・・
好きな女を自分のものにしたいって
亜恋を俺のものにしたいって
いっつも思ってきたんだ。」


愛斗の舌が私の舌に絡まったとき

力が抜けた・・・・・・・



そして私は愛斗の舌を受け入れていた。
頭がぼーっとなって
このままどうなってもいいって
思った時・・・・・


  「亜恋・・・・」


悲しく私を呼ぶ優の声に聞こえた。


耳を澄まして・・・・・でももうその声は聞こえない・・・・



私は両手で愛斗の胸を押した。