クラス変えがあった。
私はまた愛斗と同じクラスになった。


あれから
愛斗とは
まともに会話はしていなかった。



お葬式の時
遺影を見つめながら
愛斗は長い時間そこから動かなかった。



優が入院中
何度か見舞にきていたようだった。



病室から
サッカーを熱く語る二人がいた。
そんなときは時間をつぶした。



優の熱の入った
サッカー談議は痛みを忘れる
瞬間でもあったから。


私はサッカーを語れないから       

愛斗に感謝した。




進路の時期に入ってきて
私は今までただ、漠然とK大かT大か・・・
それだけしか
今のところ考えてはいなかった。


勉強はきらいじゃなかったから・・・・・ 
とりあえず勉強はした。



 何に向かって生きていこう・・・



いつも頭の片隅にある
将来の不安・・・・・



ある日先生から
こんな発表があった。




「成見 愛斗 が 日本代表として
このたび選ばれたぞ~
未来のサッカー選手に拍手!!」



クラスからどよめきがおこって
割れんばかりの拍手が響く。
私も手が痛いくらい叩いた。




代表候補として
愛斗が合宿に参加していたのは
聞いていた。

そこから 選考されたって
すごいことなんだろう