泣きじゃくる私の自転車を愛斗が押してくれた。


「泣くなよ・・・・
おまえの泣いてる顔しか見てない。」

「ごめ・・・んね・・・。
いつも・・・・こんなとこばっかだ・・・ね。」


私の頭をポンポンたたいた。


「どうするの?送っていくよ。」


「病院の・・・待合室で・・・寝る・・・・」


「面会時間は終わってるのに
大丈夫なのか?」


「・・・・入れなかったら、中庭で寝る・・・
家には帰らない・・・・」



愛斗はため息をついた。



「ちょっと待ってて。」


携帯を取り出した。


向こう側で電話をしてる
愛斗を見ていた。



愛斗はやっぱりかっこいい・・・・
私が泣いてる時に
現れるスーパーヒーローだ・・・・・

あの大きな体に抱きしめられて
自分がすっぽり隠れたら
嫌なものから守ってくれる・・・・



優を想う気持ちと似たものが
芽生えている・・・・・・・・
でもそんな自分勝手なことは
言えない・・・・・
でも・・・・
愛斗の胸に抱きしめられたいって
想うだけなら
神様は許してくれる?