女の子に近づいた。
足音に気が付いたのか、彼女が顔を向けた。
私に気付きニッコリ微笑む。
彼女と視線を同じにするために、しゃがんだ。
「あのね。おにいさんがね。こまったら、ランドリーの、お姉さんの所に行きなさいって。」
急に、彼女は心配そうな表情になった。
私に、嫌な顔をさせるのを、恐れている。
『名前は、なんて言うの?』
彼女は、うれしそうに名前を言った。
「ももこ。3月3日うまれなんだよ。だから、ももこ。」
得意げに自分の名前の由来を言った。
『ママは?買い物?』
「ううん。」
彼女の表情は、急に暗くなった。
もう、帰ってこない。
そう物語っている。
子供心にも、それくらいの察しは付く。
彼女の母親は、夜の仕事をしていた。
俗に言う。
水商売。
夜に出かけ、朝に帰ってくる。
日々。
きっと、この子の帰りを待って出かけるのだろう。
なぜなら。
この子は部屋の鍵を持たされていないようだ。
足音に気が付いたのか、彼女が顔を向けた。
私に気付きニッコリ微笑む。
彼女と視線を同じにするために、しゃがんだ。
「あのね。おにいさんがね。こまったら、ランドリーの、お姉さんの所に行きなさいって。」
急に、彼女は心配そうな表情になった。
私に、嫌な顔をさせるのを、恐れている。
『名前は、なんて言うの?』
彼女は、うれしそうに名前を言った。
「ももこ。3月3日うまれなんだよ。だから、ももこ。」
得意げに自分の名前の由来を言った。
『ママは?買い物?』
「ううん。」
彼女の表情は、急に暗くなった。
もう、帰ってこない。
そう物語っている。
子供心にも、それくらいの察しは付く。
彼女の母親は、夜の仕事をしていた。
俗に言う。
水商売。
夜に出かけ、朝に帰ってくる。
日々。
きっと、この子の帰りを待って出かけるのだろう。
なぜなら。
この子は部屋の鍵を持たされていないようだ。

