薔薇はどうなったのだろう。


俺はその疑問が浮かんだ瞬間に飛び起きた。

その薔薇は昔、俺を獣にした女が置いていったもの。
女は薔薇散るまでに、心から愛されれば魔法はとけるとか言っていたが。


散ってしまったら、どうなるのだろう。


怖い想像の数々が頭をよぎる

俺は居ても立ってもいられず、外に飛び出した。
昨日知り合ったばかりの隣人の家から。


「おはようございます。どうなさいました?」


昨日の大惨事はすっかり片付けられていた。

一人で朝のちょっとした清掃のノリで片付けたのだろうか…。


「…いや、ちょっと大事な物がどうなったか気になって」