…小動物とはこんなに激しく脈打っているものなのだろうか…。


「このたびは災難でしたね、野獣さん。」


うさぎが一心に見つめる先には白い影。

その姿に戦慄する。
俺の耳はすっかり後ろを向いて、尾は腹の方に隠れてぴくぴく震えている。

片手には包丁。
片手には鍋。


「ですが、カレーは死守しましたよ。
今晩は私の家に泊まったらどうですか?
そうですね、まず、この黒い悪魔を燃やしちゃいましょう」


白い悪魔は傷一つなく、そこに微笑んでいた。


「私、暇があったら片付けて差し上げましょうか?」

「結構です」

「片付けて差し上げますね」

「…」