魔女の瞳Ⅴ

「さぁ…いくわよ、佐久間武羅人…!」

私は魔力を注ぎ込み、異界の開門を試みる。

次の瞬間!

「まいった」

「…………………え?」

拍子抜けするその一言に、私は耳を疑った。

…武羅人は私の目の前で、ドスンと胡坐をかく。

「駄目だこりゃあ。そんな規格外の大技出されたんじゃあ、俺にはどうにも出来ん…俺の負けだ」

命乞いをする風でもなく、苦渋の選択をする風でもなく。

武羅人は清々しいほど晴れやかな顔で、己の敗北を宣言した。

「いやあ、まいったまいった…気に入らないが、流石メグ・デッドゲイトと言わざるを得ないな…やっぱり魔術魔法ってのは反則だぜ」

「は…はあ…」

呆気に取られ、私はポカンと口を開けたまま。

「さてと」

そんな私を他所に、武羅人は立ち上がる。

「んじゃ俺ぁ帰るわ」