魔女の瞳Ⅴ

こうなってしまえば、私は自分で紋章を貫く事はできない。

武羅人も警戒して、紋章に触れる事すらしないだろう。

完全に手詰まりだ。

私は禁呪を発動させる機を逸してしまった…!

「そらぁっ!」

蹲ったままの私の腹を、武羅人が蹴り上げる!

「ぐはっ!」

私は喀血しながら吹き飛ばされた。

…武羅人は切断された腕から、私を引き離したのだ。

こうしておけば、『再生』の魔術で腕を繋ぎ合わせる事もできなくなる。

本能で闘っているように見えて、武羅人の戦術は緻密だった。

少しずつ、私の勝機を潰していく。

少しずつ、私の勝利は遠のいていく…!

「う…ぐぅ…!」

血まみれになりながら、私はゆっくりと立ち上がる。

武羅人には生半可な魔術は通用しない。

禁呪でなければ、彼を敗北に至らしめる事は出来ない。

ならば…!