1分もしないうちに、PA内は人っ子一人いなくなる。

時間がない。

私は急いで結界を敷き始める。

結界で覆うのは、このPA全域。

これだけの広さがあれば、外部に被害をもたらす事はない筈だ。

対衝撃、防音、そして認識阻害の結界の三重結界。

これだけしておけば、ここに人間が迂闊に近づいてくる事もないだろう。

あとはここに武羅人がやって来るのを…。

「へぇ…準備万端って訳か」

背後で声が聞こえた。

私は咄嗟に振り返る。

そこで目にしたのは。