魔女の瞳Ⅴ

…私も修内太も息が上がっていた。

二人がかりで魔術の連発。

これだけの攻撃を重ねているというのに。

「くそ…やっぱり飛び道具がある分、そっちが有利か…」

武羅人はまだ生きていた。

腹部から相当量の出血。

なのに魔力の矢を引き抜こうとしている。

…彼の持つ『堕蓮の心臓』は、血液量も尋常ではないという。

出血多量に至る致死量も、普通の人間とは比べ物にならないのだ。

「よっと…!」

修内太の放った矢を強引に腹から引き抜いて、武羅人は立ち上がった。

腹部の傷の再生が始まっている。

幾ら攻撃を加えてもキリがない。

これではイタチゴッコだった。

「メグ…どうする」

修内太が小声で言う。

…正直、私にも上手い手が浮かばなかった。