魔女の瞳Ⅴ

まずい…!

直感で悟って、私はまた修内太の手を引く。

しかし。

「うおぉおおぉおぉっ!」

遅かった。

武羅人は力任せに氷柱を砕いて自由を取り戻す!

手も足も、強引に氷柱を砕いた為に傷口が開いている。

大量の出血。

そんな傷を気にも留めず、武羅人は体に刺さっていた氷を引き抜いた。

…堕蓮持ちの肉体の強靭さとパワーは常軌を逸している。

そんな風に驚いている暇もなく。

「逃がすかよ!」

武羅人は傷口から引き抜いた氷の槍を私達に投げつけてくる!

飛翔するのは、まさしく投擲された殺意そのもの!

私の魔術によって作り出された氷の槍だ。

強度も貫通力も申し分ない。

食らえば私や修内太の肉体程度、簡単に貫通する!