魔女の瞳Ⅴ

そこへ。

「余所見は禁物だぜ、亜吸血種!」

左の呪眼を発動させ、修内太が吼える!

右の掌の中に収束する魔力の光。

それは彼にとって『弾丸の装填』。

その弾丸を、視線をそらした事で隙の生じた武羅人に発射する!

赤い炎を帯びた矢!

「炎の属性の矢か」

目をそらしていたとはいえ、たった一発きりの矢だ。

武羅人にとってこれを回避するのは造作もない。

しかし!

「な…に!?」

その矢が目前で分裂、数十発の矢となって武羅人に命中した!

修内太曰く『散弾銃』。

彼は火器をイメージする事で、『矢』の魔術に様々なバリエーションをつける事の出来る『矢』属性の術者なのだ。