魔女の瞳Ⅴ

弾けるように。

武羅人は拳を握り締めて突進してくる!

フェイントも何もない、直進からの拳打!

私は一度目を閉じ。

「!?」

右目の呪眼を発動させた!

蛇の如き縦長の瞳孔、黄金の輝きを湛える眼球。

デッドゲイトの長い歴史の中で編み出されてきた数多の魔術を蓄積した、究極の眸。

その呪眼の魔力で。

「む!」

私は武羅人の拳を真っ向から受け止めた。

障壁。

物理攻撃、魔術、どちらも防ぐ事のできる不可視の壁。

「別に呪眼を発動させなくても障壁は使えるんだけどね…『堕蓮持ち』なんて珍しいものを見せてもらったお礼に、私も見せてあげたの」

拳を受け止めたまま、私は不敵に笑った。