魔女の瞳Ⅴ

私の問いかけに哲平は言う。

「具体的な所は黛さんにも見えなかったらしいが…お前にとってはよくない来訪者があるみたいだ…近いうちにな」

「はぁ…」

やっぱりその類か。

私は額に手を当てて溜息をつく。

「メグ?」

修内太が心配そうに私の顔を見た。

「実はね…私も夢を見たのよ…」

黛の予知ほどではないが、私の呪眼にもある程度の未来予測の力がある。

大抵の場合、それは夢の中で警告としてあらわれる事が多い。

…私が見たのは、黒い獣が襲い掛かってくる夢。

南の地から来訪した凶暴な黒い獣が、その本能のままに私を襲うという夢だった。

私の夢の場合は、恐らく何かの形容ではないかと思われる。

実際に黒い獣がやって来るのではなく、獣に形容されるような何かが、近い将来私の前に現れるのではないかという…。