「ハァッハアッ
まっ待っでよー」


河瀬 夕陽 16歳高1

ただいま人生最大に自分の惨めさを感じ取った瞬間。


「なーにやってんの夕陽!!
早く行こうよ!」


親友の絢ちゃんが私を…

50m先から呼んでいる。


この50mの差。
見事体力の差が分かりやすい距離。


もちろん体力が無いのは私。
クッ悲しいでいっぱいだ!!



「ハアッ絢ちゃん。まだ着かないの?」



やっとこさっとこ絢ちゃんに追いついた私は"早く着かないの~"オーラを出しまくって言った。



私達が向かっている所は有名らしい歌手グループが歌うライブ開場。



「あぁもうすぐつくわよ」


絢ちゃんは心底期待と楽しみで瞳が生き生きしている。



このライブへ行くことになったきっかけは数日前…