「それになんか絢ちゃんみたいな美人な子が、そんな格好してるとすぐナンパとかされちゃいそうでビビるし…」

こうゆうこと言うと絢ちゃんはすぐ怒るから小さく呟いた。

世の中いい人ばっかりじゃないしね。


「ま…いいや。
とりあえずトイレ行ってくんね~!!
あっそうだ…」



そう言ってカバンの中をゴソゴソあさった。


中から出したのは、大きな苺がプリントされた小さな袋。


これに入ってるのは、キレイに包まれたハートの苺キャンディー。


大好きで大好きで、暇さえあればすぐに端の方を左右それぞれ引っ張って、透き通った赤いハートの玉を口にする。


食べ過ぎですぐ無くなって金欠になるのがいつものオチ。


「食べる?」


こんな1言だけど、絢ちゃんにはしっかり伝わる。


「また持ってきたの?ホント好きだね!!
じゃぁ貰う」


最初は呆れ顔で言う絢ちゃんも、最後は笑って受け取ってくれた。


「それじゃあカバン宜しくね??」


財布が入ってるから、厳重に任せて絢ちゃんの前を立ち去った。