人工的な道の終わり、海岸に辿り着いた時、僕は砂浜の上に飛び込み、くだけるように倒れ込んだ。


無意識に、想い出の場所に来ていた。


そして吸える限りの酸素を体中に取り込み、おもいっきり吐き出した。


ありえない速さで鼓動する心臓を鎮めるように、また酸素を取り込む。


吐き出す息と共に、今まで溜め込んでいたモヤモヤが、全て抜け出していた。


天に昇って行くみたいに、僕のなかの必要の無かったモノが、去って行った。





真っ赤に染まった空と太陽が、僕をより紅潮させ、流れ出す汗さえも赤色に染まっていた。






汗でべっとりと手の平に張り付いた砂を払い、握り締めていたケータイを開いた。


そして、君へのメールを素早く打ち、再び、僕は呼吸を整えた。