クラス全員の視線に少しビクビクしながらかごしまの横に立つ。


 かごしまより、若干背は低い!!


 そして、かわいい!!


 髪はサラサラの俺と同じく色素が薄めのセミロング。

 色白で、黒目がちな瞳が……


 ああ!!夢樹がフラフラしてて、邪魔だ!!

 でかいぞ、174は。

 でかすぎだ。


「うわー、マジに転校生だ!!」

 夢樹、頼むから、大人しくしてくれ。

 クラス全体の雰囲気が悪くなる。

「このクラスには、浅岡がいるから、大丈夫だな。

浅岡、ちゃんと面倒みてやれ。」


 かごしまぁぁ!!浅岡じゃなくて、俺だろ!?

 しかも、なんだよ、心なしか、みんないつものアットホームな雰囲気になっちゃってるじゃないか!!

 クラスのみんなも夢樹と転校生のやりとりをクスクスいいながら見ている。


「名前は~」

「こ、こみや しずかです。」

「黒板書いちゃえよ~」

「浅岡ぁぁぁ!!

大事な進行は俺の仕事だろうが!!」

「あ、しづかって平仮名なんだぁ。

あたしは、あーさーおーかーゆーめーき!!」

 夢樹までかごしまをスルーして黒板に書き出した。

 汚い字だ。

 それに比べて、『小宮 しずか』


 なんて、なんて美しい名前なんだ。


  しずか


「うわーん、頼むから、せんせーを無視とかしないでよー」



  しずか



「シカトとか、マジ、悲しいょぉ」



 
  しずか…





 字も、キレイだ。

 かごしまのすぐキレて、すぐ泣きつくいつもの下りも気にならない。


 あぁ、浅岡、今だけ、お前に変わりたい。


 早く、早く、俺の隣の席についてくれ!!!