俺はイケメンだ。

 いや、昨日のクリーンアップ大作戦での俺の描写を見てくれればわかるだそう、びっくりするほどの美少年だ。

 名前は、夏目 零。

 零は『ゼロ』とよむ。


 もう一度、俺のルックスについてだが、ケータイ小説的にいうと、ヒーロークラスのかっこよさだ。

 母親がハーフなため、顔の彫りは程よく深く、瞳の色もうすいブラウン。髪の毛も染めてはいないが、ちょうどいい甘栗色だ。

 歯並びだって、歯医者に昔褒められたこともある。



 そんな俺にも唯一の欠点がある。


 それは身長だ。


 せっかく、俺、クォーターなのに。

 なんか、ハーフよりかっこよくね?って(自分で)思ってたのに。


 俺は、168センチしかない。

 ケータイ小説的には170後半はほしい!!

 あわよくば、180!!

 でも、まだ、高校2年だし。

 きっと、伸びる、ハズ!!




 そんな、(だいぶ)前向きな俺だが、接触すると、毎回毎回軽く落ち込む相手がいる。



 大女、浅岡夢樹だ。

 やつは、身長、174センチ、と一般女子高生の枠を優に超えている。

 そして、並はずれた身体能力。

 昔、聞いた話ではあいつはブラジルで狼に育てられていたらしい。

 (※夢樹の両親は健在だ)
  




 浅岡のことなんて、どうでもいい。

 さらには、キャラに似合わず公園でリバースした香川(レー美)のこともどうでもいい。





 俺は換気に震えていた。


 ウィーーーン。


 じゃなくて、歓喜に震えていた!!


 なぜなら、今、学校に来たら俺の席(廊下側の一番後ろ、出っ張ってた)の、隣に新しい机と椅子があったからだ!!