彼は腰に下げた剣に手をかけると、鞘ごと引き上げ、その柄で男の手首に打ち付ける。
痛みでとっさに手を離した男は、懐から小さなナイフを取り出すと、名乗りをあげる。


「俺は盗賊団カバレタ13部隊第七班班長、ザゴン。手合わせ願おう。」



「………ルーガム。」


ルーガムは剣を鞘から抜く事なく、前に構えた。
ため息混じりの名乗りに、抜かれることのない刃。

ザゴンは目の前の自分より一回り小さい男に憤怒する。





「なめやがってぇ!!」