念の為養鶏所まで行ったものの、案の定それらしい情報は一切得られなかった。
「アメルの卵は、やはり存在しないのか?」
卵どころか、彼等はアメルの存在すらしらない。
毎日恩恵をうけ、崇拝している神の名を。
何度めかの諦めの言葉とともに、落胆のため息を零す。
その沈んだ背に、なにかぶつかった。
その衝撃にこらえ、振り返ると、小柄な女性が怯えたようにしがみついている。
「どうか、しましたか?」
「たっ助けて!」
彼女の先を見てみると、大柄な男が三人下品な笑みを浮かべて見下ろしている。
彼はとっさに彼女を背に庇い、男達に正面から向き合った。
「なんだぁ?兄ちゃん。一緒に可愛がってほしいのか?」
三人の中心にいた男が彼の顎を掴み、顔をあげさせる。
「綺麗な顔してんじゃねぇか。……ん?てめぇ、亜人か?」
「「!?」」
「瞳の色が、僅かだが違う。」
――――グイッ
「――――っ」
無理に持ち上げられた顔に苦痛と屈辱の色が浮かんだ。