異風人

このような訳で、吉平は、この澱みの中にコズエはいないと決断を下したのである。そして吉平は、そこを通り過ごし、人通りの多い路上に出たのである。この道は、メイン通りであり、その両側には、石畳の広い歩道がある。この路上に出た瞬間に吉平は、再び異様な光と、威厳を取り戻していた。歩道を歩く多色の民は、振り返り、のけ反りをして流れて行く。暫く流れに乗った吉平は、はたと足を止めた。そこには、若い女性が正座をして座っていた。その女性は、歩道の縁に畳を二枚縦にしたほどの広さの黒い布を広げ、その上に何かを並べて、多色の民を待っているようである。吉平は、立ち止まりその様子を暫く見ていた。