異風人

床についた吉平は、こう考えた。コズエも私の影響を受けて、多色の中から一色を見つけるために、顔黒と山姥に変身をしているに違いない。そうであるとすれば、澱みの中で私を見つけたとしてもコズエからは声をかけないはずだ。純度の高い同色の中では、隣人の存在を意識しないからである。このように考えた吉平の脳みその中は、波紋の論理から遠く離れて、コズエを探索する一点に更に強く絞られたのである。そして次の日も吉平は、この澱みの中に足を踏み入れたのである。庇の奥から、更に強い光を放ち、一人一人を照らしたが、そこにはやはりコズエの姿はなかった。
吉平は、次のように論理的な考察を試みたのである。即ち、純度の高い同色は、化学反応的な強力な吸引力によって一つの塊を作る。したがって、コズエがこの色に染まって居たとすれば、この塊の中に融合していなければならない。