「よいかな、加藤君。生まれたばかりの赤子は、純白である。即ち、鏡面の水面である。故に、どのような石でも波紋は起きるのである。この水面に石を投ずるのは、親である。真実でない石を投ずれば、純白はその色に染まるのである。一旦その色に染まった三つ子は、百歳になってもその色を温存するのである。即ち、その源は親にあるのである。君が結婚をして、我が子に波紋を起こさせるのは、君自身である。然しながら、真実でない波紋は、我が子には波及するが、その子の波は、それ以上は波及せず、消滅してしまうのである。従って、その波を波及させるには、命令と言う概念が必要になるのである。これ即ち、君が現実のものとして直面しているサラリーマンの世界なのである。社長は重役の信念を包含し、重役は部長の信念を包含し、部長は加藤君の信念を包含してこそ、社長の波紋が末端まで波及するのである。即ち、真実は一色なのである」


