「よろしいかな部長、重役が威厳を持つことによって、部長がその威厳に影響される。即ち、重役の威厳が部長に波及するのである。そして部長の威厳がさらに加藤君へと波及するのである。この連鎖こそが、私の言う波紋の論理なのである。この連鎖があってこそ、社長から末端の社員まで社長の波紋が波及し、一丸となって利益追求が達成されるのである」
吉平の話は、哲学者らしく、妙に論理的であった。このように、すらすらと応えられるのは、小夜とコズエのおかげでもある。二人の前で吉平は、庇の奥から光を放ち、燕尾服の襟を正したのである。
「先生、威厳はどうすれば備わるのですか?」と、加藤君が尋ねた。
「なかなかよい質問だ。威厳は、地位と名誉を得ることによって備わる。部長には、部長と言う地位はあるが、名誉がない。即ち、名誉が先にあってこそ、地位が備わるのである。この順序を踏まえて、二つの条件が合体することにより、始めて威厳が備わるのである。それでは何故名誉が無いのか?例え間違っていても、それに従わねばならぬと言う組織構造に、その源がある。即ち、その組織構造には、真実と言う概念が無いからである」
吉平の話は、哲学者らしく、妙に論理的であった。このように、すらすらと応えられるのは、小夜とコズエのおかげでもある。二人の前で吉平は、庇の奥から光を放ち、燕尾服の襟を正したのである。
「先生、威厳はどうすれば備わるのですか?」と、加藤君が尋ねた。
「なかなかよい質問だ。威厳は、地位と名誉を得ることによって備わる。部長には、部長と言う地位はあるが、名誉がない。即ち、名誉が先にあってこそ、地位が備わるのである。この順序を踏まえて、二つの条件が合体することにより、始めて威厳が備わるのである。それでは何故名誉が無いのか?例え間違っていても、それに従わねばならぬと言う組織構造に、その源がある。即ち、その組織構造には、真実と言う概念が無いからである」


