異風人

「フリータと言う職業を選んだコズエ様からしますと、ご主人様も、コズエ様の親御さんも、お節介だとお考えのようです」
「お節介とはどういうことだ!コズエの父親と、私は同格だと言うのか!コズエの父親には、真実と言う概念が無い。コズエは、そのような環境で育ったのである。多色に染まった、三つ子の魂を拭い去らねばならない」
 小夜は、少しばかりの投薬を試みたのである。その反応に小夜は、「ご主人様は、不可能というべき大きな壁に向かって突進している」と、その姿を見守ったのである。又、小夜は、投薬の効き目が、少しばかり強すぎたと思った。特効薬は、かえって体調を乱す結果を招く。そして、小夜はこのように言った。
「ご主人様のおっしゃるとおりです。三つ子の魂を拭い去らなければなりませんわね。なんでも、ニートの原因もそこにあるようですから」
「その原因とは何か?」
「昔からよく言います。箱入り娘とか、温室育ちだとか、病原菌に対する免疫が無いのではと、思います」
「どういう意味だ?」
「テレビを見た知識ですけど、本人はグラフィックデザイナと言う方向性を持っているのに、親御さんのレールは、医者の方向性を強要しているそうです。自分の方向性を否定されて、お先真っ暗になっているそうです。もう一人のニートですけど、現状を抜け出そうとある職業について、一年半ばかり仕事をしたそうです。抜け出すために本人は、最善を尽くして仕事をしたそうです。だけどその最善を尽くしたことに、上司から叱られて、その最善の行為が否定され、お先真っ暗になったそうです」