コズエは、堪忍袋の緒が切れたかのように、吉平が客であることを忘れて抵抗した。それに気付かず、吉平は、真剣に考え込んだのである。吉平の論理からすれば、大学に行くと全員一色になる筈である。「大学に行くと全員一色になるんですか?」というコズエの問いかけには、一体どのような意味が含まれているのか?この矛盾は、論理上どのように説明すればよいのか?吉平は、今日もまた新たな問題を抱えて、帰路についたのである。沈痛な面持ちを、小夜は、次のように密かに察したのである。コズエという女性を通じて、ご主人様の病に、一針の刺激が与えられたと。
「小夜!」
「なんでございますか、ご主人様」
「コズエの言うには、大学に行っても、必ずしも一色に染まらないと言うんだ」
「まあ、そんなことをおっしゃったんですか」
「私の論理からすると、矛盾しておるが、小夜はどう考える」
「そうですね、同じテレビのドラマを見ても、人それぞれに感激の度合いが違いますから」
「私の講義を聞いても、受け止め方が違うと言うことか」
「コズエ様のおっしゃることを想像しますと、そのように思います」
「その原因は何処にある」
「小夜の経験からしますと、幼いころからの環境ではないかと思います。三つ子の魂は百までといいますから」
「民は皆、最初から多色と言うことか?コズエは、真っ白な紙ではないのか?」
「小夜!」
「なんでございますか、ご主人様」
「コズエの言うには、大学に行っても、必ずしも一色に染まらないと言うんだ」
「まあ、そんなことをおっしゃったんですか」
「私の論理からすると、矛盾しておるが、小夜はどう考える」
「そうですね、同じテレビのドラマを見ても、人それぞれに感激の度合いが違いますから」
「私の講義を聞いても、受け止め方が違うと言うことか」
「コズエ様のおっしゃることを想像しますと、そのように思います」
「その原因は何処にある」
「小夜の経験からしますと、幼いころからの環境ではないかと思います。三つ子の魂は百までといいますから」
「民は皆、最初から多色と言うことか?コズエは、真っ白な紙ではないのか?」


