異風人

「コズエ!」と、呼び捨てされてコズエは、あまりにも急激な接近に少したじろいた。気を取り直して、コズエは、何時ものように、よきに計らった飲み物と、料理をテーブルに運ぶ。
「ここへ座りなさい」
「それでは、お言葉に甘えてお邪魔します」
「いいかねコズエ、私は今教育者として、大きな目標を持っている。コズエは大学を出ておるのか?」
「高卒ですよ」と、コズエは、親近感を現わすために、少々乱暴な言葉遣いになっていた。
「そうか、それでは話しを噛み砕かねばならぬ。今、誰と暮らして居る」
「アパートの独り暮らしですよ」
「実家は遠いのか?」
「いいえ、電車で三十分ぐらいかな」
「何故、家族と暮らさない!」
「父親がうるさくってさ」
「どういう風にうるさい」
「とにかく、自分の考えを押付けるんですよ」
「コズエの父親は大学を出ておるのか?」
「いいえ、中卒ですよ」
「それは不幸だ!私と出会えたことに感謝せねばならぬ」