格の差であると一応は哲学的な解を見たものの、二人は互いに意思疎通をしていることで、小夜が主の方に傾いているように見える。吉平は、このことに大いに不満であった。恋敵に、彼女を取られた気分である。吉平は、少々弱気になっていたのである。屈服するのは不本意ではあるが、吉平は、本心ではなく、それとなく、密かに考えたのである。どのようにすれば、意思疎通が生まれるのだろうか?吉平は、大学教授という肩書きに裏打ちされた悔しさに、なりふりかまわず頭をかきむしったのである。