異風人

《小夜の言うチクチクとかシクシクを逃避と言う言葉に置き換えて見ると、主が言っていた、『逃避した理由を身内の者や友人(母)に伝えることができない。唯一の伝達手段として、絵を描いている。』と言うことになる。これでは、まるで主も小夜と同じようなことを言っていることになるではないか。》
 小夜は、絵が何かを語りかけてくれると言い、主は、唯一の伝達手段であると言った。小夜と主は、ここのところで、意思疎通していることを吉平は、論理的に何となく理解したのである。理解はしたものの、吉平には、その意思疎通は生まれなかった。