異風人

いくら哲学的に追求し、かつ、論理的に考えても解が見つからなかった。この日はぐったりと疲れ果て、鬱憤を抱えたまま一日は終わったのである。この鬱憤は、二日酔いのように次の日も残っていた。小夜の言っていることも解らなくなったのである。書斎には、吉平一人しかいない。頭を無様にかきむしっても、この哀れな姿は、人目には触れない。従って、威厳に傷がつくこともない。吉平は書斎の電気を消し、両方の手のひらを頭の下に重ねて、床の上に仰向けになった。絵は、暗闇の中に消えていた。そして、鬱憤を静めようと、目を閉じたのである。目を閉じたものの、暫くの間、吉平の頭の中の渦巻は消えなかった。解を見出せない吉平は、半ば観念したかのように、ぐったりとして、肩の力を抜いた。その所為か、渦巻は、いくらか治まったようである。ごく微弱ではあるが、吉平は、冷静になっていた。そして、目を閉じたまま思い起したのである。