異風人

哲学者らしく、吉平は、我ながらにして格調高く、且つ、論理的に分析した。顎を撫でながら、悠然として、椅子に腰をおろし、笑みを浮かべているその姿に満足感が滲み出ていた。悠然と椅子に腰を下ろした吉平には、主の分析を明晰、且つ、明瞭にしたという心の余裕に満ちていた。そして、先代に劣らぬほどの満足感に溢れていた。吉平は、椅子にふんぞり返り、この余裕に任せて、絵に軽蔑の眼差しを向けたのである。
《私からすれば、これは単なる絵に過ぎない。論理的に考えて、格の低い者が、格の高い者に語りかけると言うことは、絶対に有り得ないのである。ましてや、この絵は、格段に格の低い主が描いた絵である。美術大学を出たという肩書きを持っていればまだしも、それもない。あの薄汚い住処にこもって、花は赤、空は青と言うことすら知らないではないか。》