異風人

今日の吉平は、めんつにかけて、何時もとは少しばかり違っていた。意識的にではあるが、襟をただし、大学教授としての、ある種の凛とした趣があった。そして、哲学者と言う肩書きに照らして、主のことを一つ一つ解析することを試みたのである。
《哲学的な心理分析からして、人は誰しも、自分の失敗事や汚点それに欠点を他人に知られたくないことは確かである。特に、社長と言う名誉地位を得た者は、その傾向が強いのである。ホームレスになった理由を言えないのは、そのためである。該して、このような者は、自分の心に障ることを言われると、《私が得た多くの体験からして、》反発と言う心理動作を現すのである。これは、人間として誰しも持ち合わせている心理である。》